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雑学

糸の材質について ~化学繊維(ポリエステル)~

営業の新美です。
今回は、「化学繊維」について書きたいと思います。

合成繊維に分類されるポリエステルやナイロンは、衣類によく使われています。また、魚釣りをされる方は、ナイロンやポリエチレン(PE)は、よく目にする糸の材質だと思います。この様に、合成繊維は現代の私達の生活に大変身近な繊維のひとつとなっています。

まずは、その中でも近年、世界的に(主に中国)生産量が著しく増加しているポリエステルについて説明したいと思います。ポリエステル繊維は、更に「PET繊維」「PBT繊維」「PTT繊維」「PEN繊維」に分類されます。私達の生活に一番 身近な繊維は、PET繊維です。
ペットボトルの原料としてもよく知られていますし、繊維としては衣類の約50%以上がこのPET繊維と言われています。ナイロンと比較して原材料価格が安く、入手しやすい事から、更なる生産拡大が続いています。

私達のお客様も、このPET繊維(糸)に関わりの深い企業様が圧倒的に多いです。PET繊維(糸)を生産されている会社、生産された糸に風合い等の付加価値を与える会社、織ったり編んだり紐を製造する会社、またこれらの生産用機械を作られている会社です。

このPET繊維(糸)は、一般的には“溶融紡糸”という製法で、糸を作ります。
溶融紡糸とは、熱可塑性樹脂である原材料を液体状に溶かして小さな穴の開いたノズルから押し出し、空気で冷却する事で固めていきます。固まる際に、引っ張りながら巻き取る事で細くて長い“糸”が作られます。弊社も、商品開発の目的で紡糸機と巻取機(テークアップワインダー)を導入しており、標準的なPET糸を製造できる環境を整えています。

PET糸は長繊維としてそのまま使用する事が一般的ですが、敢えて短く切断して、短繊維として利用しているケースもあります。例えば、紡績糸にする事で、天然繊維の様な風合いや着心地に近づける事も可能です。また、短繊維にすれば、異材質の糸との混紡も可能となります。衣料だけではなく、羽毛の代替材として“布団の綿”に利用される機会も増えて来ましたし、圧着して不織布にする事で、“ガーゼ”や“フィルター”にも変身します。

この様にポリエステルは、私達の身近な場所で、多く利用されています。
普段の生活の中で少し意識を向けてみると、もっともっと意外な場所でポリエステルを発見できるかもしれません。

それでは次回はナイロンについて書きたいと思います。

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