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糸の材質について ~化学繊維(ナイロン)~
営業の新美です。
今回は、「ナイロン」について書きたいと思います。
ナイロンは、1935年に米国のDuPont(デュポン)社が発明した歴史上最も古い合成繊維です。現在、繊維(糸)に使用されているのは、主に“ナイロン66”と“ナイロン6”の2種類です。この“ナイロン”という呼び名は、発明したデュポン社が付けた名称であり、材質としてはPA(ポリアミド)に分類されます。その為、“PA66” “PA6”と表示される事も有ります。
ナイロンの一番の特徴は、以前にも書きましたが、ポリエステルに比べて比重が軽い点です。また、摩耗や摩擦に強く耐薬品性に優れており、吸水性が高いのも特徴です。
一方で、ポリエステルに比べて価格が高い等のデメリットもあります。ナイロン100%の衣服は、ポリエステル100%の衣服と比較すると、とても軽くてしなやかな着心地です。ただ、前述した通りナイロンはポリエステルより高い材料なので、たくさん繊維(糸)を使用するアウターにもなると、かなりの価格差となってしまいます。
衣服の場合ですと、ポリエステルと比較される事が圧倒的に多いナイロンですが、その他の用途でみてみましょう。今回は、弊社のお客様も製造している「釣糸(ライン)」「タイヤコード(自動車等のタイヤの中に入っている繊維)」「エアーバッグ(基布)」に焦点を絞り、それぞれの用途で主に使用されている材質を表にまとめてみたい思います。
用途 | A | B | C |
釣糸(ライン) | ポリエステル〈PET〉 (ポリエチレンテレフタレート) |
フロロカーボン〈PVDF〉 (ポリフッ化ビニリデン) |
ポリエステル〈PET〉 (超高分子量ポリエチレン) |
タイヤコード | ポリエステル〈PET〉 (ポリエチレンテレフタレート) |
アラミド〈PA〉 | レーヨン |
エアーバッグ | ポリエステル〈PET〉 (ポリエチレンテレフタレート) |
この様に衣服以外でも、ナイロンとポリエステルは同じ用途で使用され比較される事が多いライバル関係にあります。ある用途でシェア90%以上だった材質が数年後に10%以下になる可能性もありますので、この“ナイロン”と“ポリエステル”がどの様な用途でどれだけの割合で採用されていくか今後も気になる所です。現在のそれぞれの用途での採用率や理由に興味のある方は一度、詳しく調べてみると面白いと思います。
それでは次回はポリウレタンについて書きたいと思います。