STAFF BLOGスタッフブログ
糸の材質について ~ガラス繊維~
営業の新美です。
今回は、「ガラス繊維」について書きたいと思います。
“ガラス繊維”は“炭素繊維”と同じ“無機繊維”に分類されます。炭素繊維と同様、ガラス繊維を“糸”の状態で目にする事は日常生活においては無いと思います。一般的にガラス繊維は、織物や編物などのシート状に加工したものや繊維を並列させた状態に樹脂(プラスチック)を含浸させて熱を加えて一体化(成形)します。また、ガラス繊維を短く切断(短繊維)して、樹脂(プラスチック)に混ぜ込んで一体化(成形)する加工方法もあります。
そんな“ガラス繊維”ですが、製造方法は炭素繊維とは大きく異なります。製造方法は、以前に「糸の材質について~化学繊維(ポリエステル)~」で説明したPET繊維と同じ“溶融紡糸”での製造となります。ただ、PET繊維と大きく異なるのは、原料の溶融温度です。一般的なPET繊維は350℃程度で紡糸するのに対してガラス繊維は、1600℃以上の高温下で紡糸します。その為、白金製ノズルを使用する事が一般的です。また、高温な状態を維持する為には、設備やエネルギーコストも必然的に高くなりますので、高価な繊維となります。ただ、炭素繊維と比較するとまだまだコストメリットが大きいと言われています。
使用用途としては、難燃性の高さを活かして耐火(不燃)カーテンやテント、マットに使用されたり、電気絶縁性・耐熱性・寸法安定性の良さを活かしてプリント配線基板材料に使用されています。また、強い強度と軽さを活かして建築資材としても多く利用されています。セメントにガラス繊維を混ぜ込んで使用する事で鉄筋を使用しなくても必要な強度を確保しながら建築物の軽量化や設計の自由度をあげる事が可能となります。
また、透過率の高さを活かして光ファイバーにも利用されています。光ファイバーには他にも、プラスチックファイバーを使用したもの、ふっ化物ファイバーを使用したもの等が有り、費用、柔軟性、使用環境や温度、電送できる光の種類等 メリット・デメリットを考慮して選定するようです。詳しい違いが気になる方は是非一度調べてみてください。
複数の種類や方法がある “もの” から何か一つを “選択” する時は、それぞれのメリット・デメリットを比較して選ぶことになりますが、最後の一つに絞りきれない場合、皆さんはどの様に決定されていますか?
直感で決めますか? それともサイコロや鉛筆を転がして決めますか?
私は、いつも迷った時は ”面白そうな方” を選ぶようにしています。